新NISAで売却したら非課税枠はいつ戻る?翌年再利用の仕組みを解説

新NISAの売却後に非課税枠を翌年再利用する仕組みのイメージ NISA・投資

新NISAで商品を売却した場合、売却した商品の取得金額(簿価)分の非課税保有限度額は、翌年以降に再利用できます。ただし、売却した年の年間投資枠がその場で戻るわけではありません。

「100万円で買った商品が120万円になってから売れたら、120万円分の枠が戻るの?」「売った当日に買い直せるの?」と迷いやすいところです。

この記事では、新NISAの売却後に非課税枠がいつ・いくら再利用できるのかを、モデルケースと一緒に整理します。

最終更新日:2026年8月6日

この記事でわかること

  • 新NISAで売却した非課税枠が戻る時期
  • 再利用できる金額の計算方法
  • 年間投資枠と非課税保有限度額の違い
  • 利益や損失が出た場合のモデルケース
  • 売却を考える前に確認したいこと

まず結論|戻るのは翌年以降、金額は簿価分

新NISAで保有している商品を売却すると、その商品の簿価、つまり購入したときの金額の分だけ、非課税保有限度額を翌年以降に再利用できます。

大切なのは、次の3点です。

  1. 売却した年ではなく、翌年以降に再利用できる
  2. 戻る金額は売却代金ではなく、購入時の金額
  3. 戻った総枠が、その年の年間投資枠に上乗せされるわけではない

ゴリラ訳すると、使い終わったバナナ箱は翌年からまた使えます。ただし、箱の大きさは「売った日の値段」ではなく「最初に入れたときの値段」で決まります。

そもそも「枠が戻る」とは何が戻るのか

新NISAには、1年間に投資できる「年間投資枠」と、生涯にわたって非課税で保有できる「非課税保有限度額(総枠)」があります。

確認する枠上限売却後の扱い
つみたて投資枠年間120万円その年に使った年間枠は戻らない
成長投資枠年間240万円その年に使った年間枠は戻らない
非課税保有限度額合計1,800万円
うち成長投資枠は1,200万円まで
売却した商品の簿価分を翌年以降に再利用できる

売却で再利用できるのは、主に1,800万円の総枠側です。「今年100万円売ったから、今年の年間投資枠が100万円増える」という仕組みではありません。

新NISA全体の仕組みを先に確認したい方は、新NISAとは?初心者向けに仕組み・2つの投資枠・始め方を解説から読むと整理しやすくなります。

非課税保有限度額はいつ戻る?

金融庁の案内では、売却した商品の簿価分は翌年以降に再利用できます。

たとえば2026年中に売却した場合、再利用できるのは2027年以降です。2026年中に売却しても、同じ年の年間投資枠がその場で復活するわけではありません。

売却後すぐに別の商品を買いたい場合は、その年に残っている年間投資枠の範囲内かを確認する必要があります。

いくら戻る?売却代金ではなく簿価で計算

再利用できる金額は、売却時の時価や受け取った金額ではなく、購入時の金額である簿価をもとに計算されます。

モデルケース1|値上がりしてから売却した場合

以下は制度を理解するための架空のモデルケースです。

  • 購入金額:100万円
  • 売却時の金額:120万円
  • 翌年以降に再利用できる総枠:100万円分

20万円の利益が出ていても、戻る総枠は120万円分ではありません。購入時の100万円分です。

モデルケース2|値下がりしてから売却した場合

  • 購入金額:100万円
  • 売却時の金額:80万円
  • 翌年以降に再利用できる総枠:100万円分

20万円の損失が出ていても、戻る総枠は80万円分ではなく、購入時の100万円分です。なお、NISA口座で生じた損失は、課税口座の利益との損益通算や繰越控除ができない点にも注意が必要です。

戻った総枠は年間投資枠に上乗せされない

ここは特に誤解しやすいところです。

前年に100万円分を売却し、翌年に100万円分の総枠を再利用できる状態になっても、その翌年の年間投資枠が360万円から460万円になるわけではありません。

年間投資枠は、つみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円の合計360万円が上限です。再利用できる総枠があっても、実際の買付けはその年の年間投資枠の範囲内で行います。

2023年までのNISAを売却した場合は?

2023年までの一般NISA・つみたてNISAで保有している商品は、2024年からの新NISAとは外枠で管理されています。

そのため、旧制度のNISA商品を売却しても、2024年からの新NISAの非課税保有限度額が再利用できるようになるわけではありません。どの制度で購入した商品かを確認しておきましょう。

枠を戻すためだけに売却する必要はない

非課税保有限度額を再利用できるからといって、枠を戻すことだけを目的に売却を急ぐ必要はありません。

売却を考えるときは、次のような理由を分けて確認します。

  • 教育費や住宅購入など、使う時期が来た
  • 生活防衛資金を補う必要がある
  • 資産配分が当初の方針から大きくずれた
  • 保有している商品の内容やリスクが目的と合わなくなった

一方で、値下がりを見て不安になった、SNSで別の商品が話題になった、枠を空けたくなった、といった理由だけで急いで売買すると、長期の計画が崩れることがあります。

毎月の積立額や家計とのバランスに迷う場合は、新NISAの積立額はどう決める?家計から考える3ステップも参考にしてください。

売却前に確認したい5項目

  1. その商品を購入したのは新NISAか、2023年までの旧NISAか
  2. 売却する商品の購入金額はいくらか
  3. 売却後のお金を何に使うのか
  4. その年の年間投資枠はどれだけ残っているか
  5. 翌年以降に買い直す必要が本当にあるか

証券会社の画面では「今年使った枠」と「非課税保有限度額」が別に表示されることがあります。表示方法は各社で異なるため、詳しい残額や反映時期は利用している金融機関の公式画面・案内で確認してください。

よくある質問

Q. 売却した当日に非課税枠は戻りますか?

売却した商品の簿価分の非課税保有限度額を再利用できるのは翌年以降です。同じ年の年間投資枠が売却によって戻るわけではありません。

Q. 100万円で買って120万円で売ったら、いくら戻りますか?

翌年以降に再利用できる総枠は、原則として購入時の100万円分です。売却時の120万円分ではありません。

Q. 値下がりして80万円で売っても100万円分戻りますか?

購入時の金額が100万円であれば、再利用できる総枠は100万円分です。ただし、実際の売却損がなくなるわけではありません。

Q. 売却したら必ず翌年に買い直すべきですか?

必ず買い直す必要はありません。生活資金、投資目的、使う時期、リスク許容度を確認し、必要な場合に年間投資枠の範囲内で判断します。

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参考にした一次情報

制度内容の確認日:2026年8月6日

まとめ

新NISAで商品を売却すると、売却した商品の簿価分の非課税保有限度額を翌年以降に再利用できます。

  • 戻るのは売却した年ではなく翌年以降
  • 金額は売却代金ではなく購入時の簿価
  • その年の年間投資枠は売却しても戻らない
  • 再利用分が年間投資枠へ上乗せされるわけではない

枠を戻すことだけを目的に売却を急がず、何のために売るのか、売却後のお金をどう使うのかを先に確認しましょう。

免責文

本記事は、一般的なお金の考え方と制度を初心者向けに整理した内容です。特定の金融商品、投資方法、金融機関を推奨するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。NISAの制度や金融機関の取扱いは変更される場合があるため、実際に判断する前に金融庁および利用する金融機関の公式情報をご確認ください。

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